フィボナッチリトレースメントの仕組みが知りたい
ラインの引き方を教えて!
実践ではどうやって使えばいいの?
この記事を読むと、上記の疑問や悩みを解決できます。
私もフィボナッチと聞くと有名な数列を思い浮かべる程度で、FXの手法があるなんて知りませんでした。
この記事では、フィボナッチリトレースメントの仕組みを判りやすく解説するとともに、実践的な手法をお伝えします。
記事内容を実践すれば、フィボナッチリトレースメントを見たことがない人でも武器にできるでしょう。
それでは最初にフィボナッチリトレースメントの概要について解説しましょう。
フィボナッチリトレースメントとは?
フィボナッチリトレースメントとは、トレンドチャートの一時的な反発を予測するための指標です。
フィボナッチは「数列」、リトレースメントは「戻り」を意味します。
フィボナッチリトレースメントで表示される指標はフィボナッチ数列によって導き出された数値です。
フィボナッチ数列とは「0、1、1、2、3、5、8・・・」と、直前の2つの数字を足した数が次に来る数字になる数列です。
フィボナッチ数列は黄金比と深い関係にあり、隣り合う数字の比率は黄金比に当てはまります。
黄金比は人類が最も美しいと感じる比率いわれ、歴史的建造物や美術品に用いられてきました。
実はこの黄金比、自然界でもよく見られ、ひまわりの種の並び方や木の伸び方そして宇宙の星雲の渦にもこの比率が成り立ちます。
つまり、「黄金比によって成り立つフィボナッチ数列」を使ったフィボナッチリトレースメントも黄金比によって成り立つ指標なのです。
そのため、確率や統計の計算による予測ではなく、自然界の法則による予測といえます。
なんだか不思議な感じだなぁ~
ああ。
だが面白いことにチャートに当てはまってくるんだな~、これが。
フィボナッチリトレースメントで重要な数値
フィボナッチリトレースメントでは0%、23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%、100.0%のラインが表示されます。
その中でも特に重要なのが38.2%、61.8%です。
補助的に50%もよく使われます。
この3つの数値はトレーダーにとって心理的な節目になりやすく、反発しやすいラインなので覚えておいてください!
フィボナッチリトレースメントの見方
フィボナッチリトレースメントはトレンド相場で使われます。
チャートは常に一本調子ではなく、上昇下降を繰り返して進み、トレンド形成中も例外ではありません。
トレンドに対して一時的な反発の発生を「押し目」や「戻り目」といいます。
フィボナッチリトレースメントでは、この一時的な押し目や戻り目がどこまで伸びるかを予測します。
では実際に見てみましょう。
このチャートは下落トレンドが続いているが、今まさに一時的な上昇が発生しようとしている。
一体どのくらいまで上昇が続くだろうか?
この下落チャートにフィボナッチリトレースメントを描画すると、38.2%のラインまたは61.8%のラインまで一時的な上昇があると予測できます。
実際にその後のチャートをみてみると、38.2%のラインまで上昇し下落へ転じました。
上昇トレンドの場合も同じで、一時的な下落幅をフィボナッチリトレースメントで予測することができるんです。
フィボナッチリトレースメントの描画方法
フィボナッチリトレースメントのラインは、上昇トレンドと下降トレンドの2種類の引き方があります。
上昇トレンドでの引き方
上昇トレンドの場合、フィボナッチリトレースメント描画ツールを選択し、トレンドの始まりとなる安値と直近の高値を選びます。
安値のラインに100%のラインが、高値の部分に0%のラインが表示されていればOKです。
これで直近の高値からの、一時的な下落幅を予測することができます。
下降トレンドでの引き方
下降トレンドの場合は、フィボナッチリトレースメント描画ツールを選択し、トレンドの始まるとなる高値と直近の安値を選びます。
高値のラインに100%のラインが、安値の部分に0%のラインが表示されていればOKです。
これで直近の安値からの一時的な上昇がどこまで伸びるかが予測できます。
高値・安値が更新されたら、ラインを引き直しましょう。
高値安値を判断するのが苦手な方には高値安値を自動表示してくれるチャートがオススメです。
図解ではGMOクリック証券のプラチナチャートの高値安値表示を使っています。
フィボナッチリトレースメントの注意点
フィボナッチリトレースメントを描画したときに表示される数字は確率ではありません。
61.8%の表示ラインは、61.8%の確率で到達するラインというわけではないのです。
表示される各ラインの%は指定した高値から安値までの値幅を基準としたときの、黄金比による割合(区切り)です。
勘違いをしてしまう人が多いので注意してくださいね!
フィボナッチリトレースメントを使った手法が知りたい
フィボナッチリトレースメントは、下降トレンドがどこまで反発するか、または上昇トレンドがどこまで反落するかの目安を示してくれます。
なお、反発・反落幅はトレンドラインの傾きが大きいほど大きくなりやすいです。
つまり短時間で急騰・急落するほど、値の大きいフィボナッチラインまで値を戻す可能性が高く、より大きな利益を得やすいのでこれを狙った手法を紹介します。
この短時間で上昇トレンドが急に値崩れを起こした時に、61.8%ラインで反発すると予測して、そのラインに達するまでは売りエントリーを仕掛け、61.8%に達したら買い決済をすると同時に買戻しエントリーをすれば、優位性の高い取引ができるんです。
逆に下降トレンドが急騰した時に、61.8%ラインで反落すると予測して、そのラインに達するまでは買いエントリーを仕掛け、61.8%に達したら売り決済をすると同時に売戻しエントリーをすれば、優位性の高い取引ができますよ!
フィボナッチ数列を用いたその他指標は?
フィボナッチ数列を使った指標は他にもあります。
よく使われる他2つを紹介しますね。
- フィボナッチファン
- フィボナッチアーク
フィボナッチリトレースメントのバリエーションを広げたい人は参考にしてくださいね!
フィボナッチファン
フィボナッチファンは直近の安値(高値)とトレンドの頂点(底)の2点を決めて、トレンドの頂点(底)から垂直に引いた線とフィボナッチリトレースメントが交わるポイントに向けて直近の安値(高値)から引いた線を指します。
フィボナッチファンはローソク足の位置によってはサポートラインにもレジスタンスラインにもなります。
一般的にはローソク足がフィボナッチファンの上にある時はサポートラインとなりやすく、ローソク足がフィボナッチファンの下にある時はレジスタンスラインになりやすいです。
つまりローソク足がフィボナッチファンを抜けるまではトレンド継続、ローソク足が抜けたタイミングでトレンド転換の可能性があると判断できるんです。
フィボナッチアーク
アークは「弧」という意味で、フィボナッチアークは図のように直近の安値(高値)とトレンドの頂点(底)を結んだ線に対して、フィボナッチリトレースメントの3数値(23.6%、38.2%、61.8%)の半径で円を描いた指標です。
フィボナッチリトレースメントがトレンドの転換点を示すのに対し、フィボナッチアークはエントリーのタイミングを時間的に予測できるのが特徴です。
例えば上昇トレンドで一時的な調整下げがあった場合に、チャートがフィボナッチアークの23.6%にタッチしたタイミングで押し目買いをするという使い方をします。
フィボナッチリトレースメント まとめ
上記で紹介した「フィボナッチリトレースメントを用いた取引手法」を実践すると、今後はフィボナッチリトレースメントの仕組みと使い方で悩まずに済み、トレンドの転換点をつかんで優位性の高い取引ができるようになります。
最後にもう一度、内容を確認しましょう。
- フィボナッチリトレースメントは黄金比を用いた自然界の法則による指標のこと
- トレンドチャートの一時的な反発を予測するのに使える
- フィボナッチリトレースメントで表示される数値は確率ではないので注意
「たくさん線があって見方が判らない」と最初は思うかもしれませんが、仕組みを理解して使い方を身につけてしまえば、簡単にできるようになりますよ!
フィボナッチリトレースメント Q&A
- フィボナッチリトレースメントとは?
-
黄金比を用いた、自然の法則をチャートに当てはめた分析指標です。
⇒詳しくは「フィボナッチリトレースメントとは」で解説しています。
-
フィボナッチリトレースメントでは何がわかるの?
-
トレンド相場における一時的な反発がどのくらい伸びるのかを予測します。
⇒詳しくは「フィボナッチリトレースメントの見方」で解説しています。
- フィボナッチリトレースメントはどう描画する?
-
上昇トレンドの場合は、トレンドの始まりとなる安値と直近の高値を値幅として選択します。