円高ってなに?
円安ってなに?
円高・円安が起きるのはどうして?
この記事を読むと、上記の疑問や悩みを解決できます。
というのも、円高と円安のイメージがチャートの上げ下げと逆だからです。
実は私も、円高はチャートが上昇することだと思っていたひとりです。
そこでこの記事では、円高・円安の仕組みを解説し、FX取引での実践的な取引手法をお伝えします。
為替レートの仕組み
為替レートは「1ドル=100円」のように、一方の通貨を買うために、もう一方の通貨をいくら払う必要があるかを示します。
1ドル=100円なら、1ドルを得るには100円が必要ってことだね!
例えば1ドル円=100円の時に1,000ドル得るためには、1,000ドル×100円=10万円必要ですし、2,000ドル得るためには2,000ドル×100円=20万円必要です。
そしてこの為替レートは時間とともに変動し、1ドル円=99円に下がったり、1ドル円=103円に上がったりします。
円高とは
円高(えんだか)とは「外貨に対して円の価値が高くなること」を指します。
為替レートで言うと1ドル円=100円から1ドル円=99円や98円に変動するのが円高です。
1ドルに対して支払う円が少なくなる = 日本円の価値が高くなる
ドル側からみると、今まで1ドル払えば100円得られたのに、円高になると円の価値が高くなるので、1ドルで98円しか得られないことになります。
円の価値が上がるとドルの価値は円から見て下がるので「ドル安」になるんです。
リスクオン時は円高になりやすい
世界経済に不安が高まると円高になる傾向があります。
なぜなら、日本円は安全資産だと言われているからです。
日本は国家だけでなく個人単位でも海外資産を持つ割合が諸外国に比べて高いので、国の景気が悪化しても海外資産のおかげで破綻リスクが低いと考えられています。
そのため、リスクオン時には投資家が日本円を買い、円の価値が上がり円高となるのです。
円安とは
円安(えんやす)は「外貨に対して円の価値が低くなること」を指します。
為替レートで言うと1ドル円=100円から1ドル円=101円や102円に変動するのが円安です。
1ドルに対して支払う円が増える = 円の価値が低くなる
1ドル円=100円から99円や98円に数値そのものが低くなるのではなく、あくまで「円の価値」が低くなるという点に注意してください。
ドル側からすると、今まで1ドル払えば100円得られたのが、円安になると円の価値が低くなるので、1ドルで101円も得られるんですね。
円の価値が下がると、ドルの価値は日本円から見て上がるので「ドル高」となります。
円高・円安はどちらが良いのか
一概に円安・円高どちらのほうが良いとはいえません。
なぜなら、その時の経済状況などによって水準が変動するからです。
世界的に好景気であれば1ドル=110円が適正化かもしれませんし、不景気なら1ドル=100円かもしれません。
直近10年では、1ドル75円から125円の間で推移しています。
特にFXでは円高・円安どちらの局面でも利益を狙えるので、円高・円安に優劣はないぞ!
円高・円安を引き起こす要因
各国の経済情勢や政策金利の変動により円高・円安は引き起こされます。
それぞれの要因について詳しく解説しますね!
①経済情勢
経済情勢とは、雇用統計やGDP(国内総生産)、消費者物価指数、貿易収支といった統計的数値から読み取れる国としての経済的な強さです。
経済的に優れている(強い)国の通貨は一般的に買われやすく、通貨高になります。
例えば日本のGDPが前年や本年予想より伸びると、景気が良くなると考えられて日本円に買いが集まり、円高になるんですね!
②政策金利
政策金利の変動も為替変動に影響する要素のひとつです。
政策金利とは中央銀行が民間銀行にお金を貸し出す際の金利で、市場に出回る通貨量を調整するために変更されます。
政策金利が上がると市中銀行の金利も上がるので、利息を狙ってその国の通貨に資金が集まり、通貨高が起きます。
一方政策金利が下がると、その国の通貨で銀行に預けるメリットが薄れるので通貨安です。
ちなみに、日本円やユーロは超低金利国家なので、政策金利が為替レートに与える影響は小さいです。
しかし豪ドルや南アフリカランドといった高金利通貨は政策金利の変動に大きく影響を受けるので、金利動向に注意しましょう。
FXで円高・円安のトレンドを判断する方法2つ
FXでは円高・円安のトレンドを見極めて、その方向に沿って順張りするか、一時的な調整を狙って逆張りして利益を狙います。
まずは円高・円安のトレンドを判断する方法を2つ覚えましょう!
- テクニカル分析
- ファンダメンタルズ分析
①テクニカル分析
テクニカル分析とは過去のチャートの値動きから将来の動きを予測する手法です。
具体的には移動平均線や一目均衡表、ボリンジャーバンドなどの「トレンド系」の指標と、MACDやRSIなどの「オシレータ系」の指標に分かれます。
オシレータ系の指標は相場の過熱感を図るものなので、テクニカル分析で相場のトレンドを読む時はトレンド系の指標を使いましょう!
②ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズとは、各国の経済指標や政策金利などの情報から分析する手法です。
経済指標の数値からその国の経済的な見通しを立てて、良ければ通貨高、悪ければ通貨安を予測します。
例えば「今後3年間のGDPの伸びが下方修正されたので、通貨安になりそう」「中央銀行総裁が政策金利を引き上げる可能性に言及したので、通貨高になりそう」といった予測をします。
FXでの立ち回り方
相場のトレンドを判断できても、ポジションの取り方を知らなければ利益を出せませんよね。
そこで円高・円安トレンドそれぞれに直面した時に、どんな取引をすれば利益を狙えるかを解説しますね!
①円高トレンド
円高トレンドは円の価値が上がるので、クロス円のチャートでは下降トレンド(右肩下がり)になります。
下降トレンドでは直近の高値同士を直線で結んだ「レジスタンスライン」に上値を抑えられる形で下落しやすいので、レジスタンスライン付近まで反発したポイントで売りエントリーしましょう。
利確(損切り)はチャートがレジスタンスラインを下から上に抜けて、直前の高値を上回ったポイントです。
損切りポイントに達するまでは利確ポイントを下げていくと、トレンドが転換するまで利益を大きく伸ばせますよ!
②円安トレンド
円安トレンドは円の価値が下がるので、クロス円のチャートでは上昇トレンド(右肩上がり)になります。
上昇トレンドでは直近の安値同士を直線で結んだ「サポートライン」に下値を支えられる形で上昇しやすいので、サポートライン付近まで反落したポイントで買いエントリーしましょう。
利確(損切り)はチャートがサポートラインを上から下に抜けて、直前の安値を下回ったポイントです。
損切りポイントに達するまでは利確ポイントを上げていくと、トレンドが転換するまで利益を大きく伸ばせますよ!
FXと円高・円安の関係まとめ
上記で紹介した「円高・円安トレンドに応じた取引手法」を実践すると、今後は円高・円安の意味で悩まずに済み、トレンドに沿って利益を出せるようになります。
最後にもう一度、内容を確認しましょう。
- 円高は外貨に対して日本円の価値が高くなること
- 円安は外貨に対して日本円の価値が低くなること
- 各国の経済情勢や政策金利で円高・円安が発生する
- 円高は売りエントリー、円安は買いエントリーで利益を狙おう
すぐには円高・円安のイメージとチャートの動きがすぐに一致しないかもしれませんが、慣れればトレンドに対して売り買いどちらのエントリーが適切か判断できるようになりますよ!