
トルコの中央銀行が利下げする理由が知りたい
今後、利下げされるの?
利下げになるとトルコリラは下落する?
こんな疑問や悩みはありませんか?
トルコが利下げを行うのは、インフレ率やアメリカ金利の動向が影響しています。
利下げされるとトルコリラは基本的に下落します。
エルドアン大統領は金利低下(利下げ)を望んでいるので、トルコリラは利下げされる可能性が高く、注意が必要です。
トルコリラの金利は45.0%です。
インフレ率(42.12%)から金利(45.0%)を差引いた実質金利は2.88%。
この記事ではトルコリラの利下げ理由や今後の見通し、利下げされたときの対策について紹介します。
【基礎知識】トルコリラの概要
トルコリラは南アフリカランドやメキシコペソと並ぶ「マイナー通貨」で、為替変動が不安定な新興国通貨です。
トルコ 基礎データー(令和5年9月1日)
国名 | トルコ共和国(Republic of Turkey) |
面積 | 780,576平方キロメートル(日本の約2倍) |
人口 | 85,279,553人(2022年,トルコ国家統計庁) |
首都 | アンカラ |
民族 | トルコ人(南東部を中心にクルド人,その他アルメニア人,ギリシャ人,ユダヤ人等) |
言語 | トルコ語(ウラル・アルタイ語系) |
産業割合 | サービス業(59.2%),工業(24.3%),農業(4.9%)(トルコ財務省) |
GDP | 9,055億ドル |
一人当たりGDP | 10,655ドル |
経済成長率 | 5.6% |
物価上昇率 | 57.7% |
失業率 | 10.3% |
総貿易額 | 輸出 2,542億ドル 輸入 3,637億ドル |
主要貿易品目 | 輸出 自動車・部品(11.1%)、機械類(9.2%)、鉄鋼(7.6%)、電気機器・部品(5.3%) 輸入 燃料及び鉱物油類(18.7%)、機械類(11.4%)、鉄鋼(10.2%)、電気機器・部品(7.4%) |
主要貿易相手国 | 輸入 ドイツ(8.6%)、米国(6.5%)、英国(6.1%)…日本(0.2%、第71位) 輸出 中国(11.9%)、ロシア(10.7%)、ドイツ(8.0%)…日本(1.6%、第14位) |
通貨 | トルコ・リラ |
為替レート | 1トルコ・リラ=約5.3円(2023年8月時点) |
輸出入品目・構成比(2022年)
貿易相手国・輸出入比率
ただし政策金利が日本などの先進国と比べると高水準にあり、スワップ狙いのトレーダーに人気があります。
トルコリラの政策金利の推移
トルコリラ 政策金利(%) | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2023年 | 9.0 | 8.5 | 8.5 | 8.5 | ||||||||
2022年 | 14 | 14 | 14 | 14 | 14 | 14 | 14 | 13 | 12 | 10.5 | 9.0 | 9.0 |
2014年6月~2016年12月は7.50%~8.75%で推移していましたが、2017年~2018年8月にかけて17.75%まで利上げされました。
そして2018年9月~2019年6月は最高24.00%を維持していたものの、2024年9月現在、45.0%まで利下げされました。
日本やユーロ圏のマイナス金利が話題となる中、トルコの政策金利は10%以上も上下するのが特徴です。
利上げをやめて利下げに踏み切った理由
トルコの中央銀行が2019年6月以降、利下げ路線に転換したのはなぜでしょうか?
- トルコのインフレ率が落ち着いた
- アメリカが利下げ路線に転換した
それぞれの理由について、以下で詳しく見ていきましょう。
理由①トルコのインフレ率が落ち着いた
ひとつ目の理由は、トルコのインフレ率が落ち着いたことです。
なぜなら2017年から2年半かけて利上げを行った目的は、トルコのインフレを食い止めるためだったからです。
2017年に開始した利上げにより、2018年には25%ほどだったインフレ率が2019年8月には15%ほどに落ち着きました。
インフレはトルコリラの価値が下がるのが原因なので、中央銀行は政策金利を上げて市場に流通するトルコリラの量を減らしました。
また、高金利により他国からトルコリラに資金が流れ込むと、トルコリラの価値が上がってインフレの改善も期待できるのよ。
理由②アメリカが利下げ路線に転換した
2つ目の理由は、アメリカのトランプ大統領がFRB(連邦準備銀行)に対して利下げ路線を打ち出したからです。
FRBは2019年7月には2.50%から2.25%、2020年3月には0.25%へ大きく利下げをしました。
米ドル 政策金利(%) | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2024年 | 5.50 | 5.50 | 5.50 | 5.50 | 5.50 | 5.50 | 5.50 | 5.50 | 5.00 | |||
2023年 | 4.50 | 4.75 | 5.00 | 5.00 | 5.25 | 5.25 | 5.50 | 5.50 | 5.50 | 5.50 | 5.50 | 5.50 |
2022年 | 0.25 | 0.25 | 0.50 | 0.50 | 1.00 | 1.75 | 2.50 | 2.50 | 3.25 | 3.25 | 4.00 | 4.50 |
これはトランプ大統領の再選を狙った経済政策という見方が強いですが、トルコも経済大国アメリカの利下げの動向を少なからず参考にしたのです。
トルコリラの利下げが為替に及ぼす影響とは?
トルコの利下げの一例を挙げると、2019年7月には24.00%から19.75%に4.25%引き下げられました。
(上記は2019年7月19日~8月2日のトルコリラ/円チャート)
一般的に利下げはその通貨の人気を下げるため、為替レートは下落するはずです。
しかし2019年7月の利下げでは、トルコの中央銀行が政府の圧力に屈せず利下げ幅を4.25%にとどめたため、トレーダーは安心感を持ちました。
そのためかえってトルコリラが買われ、為替レートは上昇するというイレギュラーな動きになりました。
トルコリラは今後、利下げされるのか
トルコリラは今後、利下げされる可能性はあります。
なぜなら、トルコのエルドアン大統領が1桁台まで金利を下げることを望んでいるからです。
トルコ中銀は2022年の政策決定会合の回数を12回としており、1回の利下げ幅を小さくしつつもエルドアン大統領の意向に沿う方向に進める可能性が高いです。
しかし、強烈なトルコリラ安が進み、2022年1~4月までは利下げせずに金利を14%に据え置いています。
2019年12月以降の大幅利下げも、エルドアン大統領の圧力による影響があるのよ。
トルコリラ利下げに対する3つの投資対策

トルコリラの利下げの影響を抑えるには、何か方法はないの?
というお悩みにお答えして、トルコリラの利下げに対する投資対策を3つ紹介します。
- こまめにニュースをチェックする
- トルコリラに集中投資をしない
- 証拠金維持率に余裕を持たせる
それぞれの対策について、以下で詳しく見ていきましょう。
対策①こまめにニュースをチェックする
ひとつ目の対策は、こまめにニュースをチェックすることです。
その理由はトルコリラに利下げの可能性があると報道されると、トルコリラに売り注文が殺到し、トルコリラ相場が下がる可能性があるからです。
普段からトルコを含めてニュースを見て、相場に影響が出ないか備えておきましょう。
対策②トルコリラに集中投資をしない
2つ目の対策は、トルコリラに集中投資をしないことです。
なぜならトルコリラに集中投資すると、利下げされて相場が下がったときに大きな損失が出るからです。
分散投資先として為替変動が比較的安定している、米ドル、ユーロ、ポンド、豪ドルといった先進国通貨(メジャー通貨)をおすすめします。
価格変動が少なく、安定しているメキシコペソ(6.5%)の方がスワップ狙いの投資にはおすすめだぞ!
対策③証拠金維持率に余裕を持たせる
証拠金維持率に余裕を持たせる(低レバレッジ)にすると安全です。
なぜなら資金に余裕を持ってポジションを保有すれば、多少相場が下がってもロスカットされにくくなるからです。
具体的には取引量を減らすか、取引量はそのままで証拠金を追加すれば証拠金維持率を高められます。
レバレッジ (ドル/円のレートが100円と仮定) | 必要証拠金 | 証拠金維持率 |
---|---|---|
1倍 | 1,000,000円 | 2,500% |
2倍 | 500,000円 | 1,250% |
5倍 | 200,000円 | 500% |
10倍 | 100,000円 | 250% |
25倍 | 40,000円 | 100% |
トルコリラ スワップシミュレーション
トルコリラのスワップ投資におすすめのFX会社3選

利下げに負けないおすすめのFX会社ってあるの?
という疑問にお答えして、トルコリラのスワップ投資におすすめのFX会社を3社紹介します。
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スワップポイント | ||
---|---|---|
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- 決済せずに長期間待つ
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- FX会社を比較し、もらえるスワップが多いFX会社を使う
- スプレッドは重要ではなく、あくまでスワップを重視
- レバレッジは1~3倍、最大でも5倍程度に抑えて運用する
トルコリラの利下げ まとめ

上記で紹介した「トルコリラの3つの利下げ対策」を実践すると、せっかく稼いだスワップ利益を為替差損で吹き飛ばすことなくスワップ投資ができるようになりますよ。
最後にもう一度、内容を確認しましょう。
- トルコが2019年に利下げしたのは、インフレが落ち着きアメリカの利下げに追随したから
- 利下げは一般的に為替相場の下落につながるので、普段からニュースを要チェック
- 利下げのダメージを減らすには、資金に余裕を持ちつつトルコリラへの集中投資を避けよう
2019年の事例のように、利下げは必ずしも為替相場の下落を招くとは限りません。
普段から為替相場の下落に備えておき、為替差損でせっかくのスワップ利益を台無しないようにしてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
トルコリラの利下げ
- トルコリラ利下げの理由は?
-
2019年6月以降の利下げには、主に下記の理由があります。
・トルコのインフレ率が落ち着いた
・アメリカが利下げ路線に転換したインフレはトルコリラの価値が下がるのが原因なので、中央銀行は政策金利を上げて市場に流通するトルコリラの量を減らしました。
またトルコは経済大国アメリカの利下げの動向を参考にしているので、トルコの政策金利にも影響します。
- 今後も利下げされる?
-
2022年以降はトルコリラの下落が落ち着けば、利下げされる可能性あります。
トルコのエルドアン大統領が1桁台まで金利を下げることを望んでいるため、中銀もその意向に沿った方向に進むと考えられます。
- 利下げの影響を抑えるための対策は?
-
利下げの影響で大損しないためには、下記の対策を行いましょう。
・こまめにニュースをチェックする
・トルコリラに集中投資をしない
・証拠金維持率に余裕を持たせる