FXのポジションって何?
資金に対してどのくらいのポジションをとればいいの?
ポジションに関する基本的な用語の意味が知りたい
この記事を読むと、上記の疑問や悩みを解決できます。
FXを低リスクで運用するためには、ポジション管理が大切です。
そこでこの記事では、適切なポジション量の計算方法を解説するとともに、ポジションで失敗しないコツをお伝えします。
記事内容を実践すれば、FX初心者でも適切なポジションをとってリスクを抑えながら稼げるようになりますよ。
それでは最初にポジションの仕組みについて解説しよう。
FXのポジションとは
FXのポジションとは「通貨ペアをどれだけ買っているか・売っているか」を表す言葉です。
例えば、米ドル/円で1,000通貨分の新規買い注文をした場合「1,000米ドル/円の買いポジションを持つ」と言います。
さらに、ポジションを清算して損益を確定させる行為を「ポジションを決済する」と言います。
ちなみにFXは口座に証拠金を預け入れて行う証拠金取引なので、売りエントリーして相場の下落局面でも利益を狙えるのがメリットです。
自分に適切なポジション量が知りたい
レバレッジが5倍以下になるよう最大ポジション量を調整しましょう。
例えば、資金50万円で為替レートが1米ドル円=100円の時に米ドル円の通貨ペアを取引するケースを想定します。
レバレッジ5倍だと
50万円×5倍=250万円
250万円を米ドルに換算すると
250万円÷100円=25,000米ドル
ですね。
一般的な計算式に表すと以下のとおりです。
レバレッジ倍率に応じた最大ポジション量は
証拠金×レバレッジ倍率÷取引する通貨ペアの為替レート
で求めることができます。
FXのポジションに関する基礎用語5つ
FXのポジションに関する基本的な用語として、以下5つを覚えておきましょう。
- ロングポジション
- ショートポジション
- スクエア
- ポジションメイク
- ポジションクローズ
ひとつずつ丁寧に解説しますね!
①ロングポジション
ロングポジションは『いずれかの通貨を買っている状態』のこと、買いポジションとも言いますね。
1米ドル円=100円の時に米ドル円の通貨ペアを1,000通貨買うのは「1,000米ドル円のロングポジションを持つ」と言います。
②ショートポジション
ショートポジションは『いずれかの通貨を売っている状態』のこと、売りポジションとも言います。
1米ドル円=100円の時に米ドル円の通貨ペアを1,000通貨売るのは「1,000米ドル円のショートポジションを持つ」と言います。
③スクエア
スクエアはポジションフリーとも呼ばれ、ポジションを保有していない状態です。
保有ポジションをゼロにすることで、為替変動リスクを無くしたり、次のチャンスに備えて資金を温存する効果があります。
「アメリカの雇用統計が発表される前後は、ポジションをスクエアにして様子を見る」のように使います。
「待つも相場」という相場の格言があるように、ポジションを持ち続けると常に為替変動リスクにさらされるので、ポジションをスクエアにして優位性の高い相場が来るのを待つのが大切ですよ!
④ポジションメイク
ポジションメイクは新しくポジションを持つことで、売り買いどちらのポジションにも使います。
実際には「私の買いのポジションメイクの基準は、RSIが50%以上の水準で移動平均線がゴールデンクロスした時」「1週間に1万円損失が出たら、頭を冷やすために翌週までポジションメイクはしない」のように使います。
⑤ポジションクローズ
ポジションクローズはポジションを決済すること、つまりポジションメイクの反対語です。
売り買いどちらのポジションを決済する時にも使います。
「10pipsの含み益に達したらポジションクローズする」「私のポジションクローズの基準は、チャートがサポートラインを割った時」のように使います。
為替のポジション比率の見方が知りたい
FX会社によっては、マーケット情報の1つとして利用者のポジション状況をまとめたデータを公表しています。
「ポジション分布」はトレーダー達がどの価格帯のポジションを持っているかを示します。
これを見れば相場のトレンドやトレーダーの傾向を知ることができる。
今回は、外為どっとコムの「ポジション比率情報」を例に見方を解説します。
ポジション比率情報は、毎営業日のクローズ時のデータをもとに作成された売りと買いのポジション比率です。
- 縦軸:「売り」「買い」それぞれのポジション比率を表します。
- 横軸:日付を表します。
「Buy:70% Sell:30%」と表示されている場合。
外為どっとコムでその時取引されているポジションの総量に対して、買いポジションが全体の7割で売りポジションが3割という風に見ます
FXのポジションで失敗しないための注意点3つ
FXのポジションに関する注意点を3つお伝えします。
- ポジションを決済してはじめて損益が確定する
- 証拠金維持率が下がるとロスカットされる
- 週末にポジションを持ち越さない
利益を逃したり大損しないために大切なので、しっかり理解してくださいね。
注意点①ポジションを決済してはじめて損益が確定する
ひとつ目は、ポジションを決済しないと損益が確定しない点です。
つまり含み益が出ていても、決済しないうちに相場が元に戻ると利益を逃してしまうのがデメリットです。
逆に含み損が出ても、損切りせずに相場の好転を待てば損失はなかったことにできます。
ただし相場が好転せずに不利な方向に進み続けた場合、損失がどんどん膨らむので注意してください。
注意点②証拠金維持率が下がるとロスカットされる
ロスカットとはポジションの含み損が膨らみ、証拠金維持率が一定ラインを下回った時に、FX会社が強制的にポジションを決済する仕組みです。
つまり、ポジションを持ち続けるにはFX会社の基準を満たす証拠金維持率を保たなければなりません。
ロスカットを避けるには「早めの損切り」「取引量を減らす」「十分な資金を用意して証拠金維持率を高める」で対策できますよ!
注意点③週末にポジションを持ち越さない
初心者で相場に不慣れなら、週末にポジションを持ち越さないでおきましょう。
なぜなら、取引ができない土日の間に経済に影響の出るニュースが出ると週明けの相場が急変するリスクがあるからです。
2020年~2021年は新型コロナウイルスやアメリカ大統領選の影響で週明けの相場がよく荒れていたね
ロスカットが間に合わず証拠金以上の損失が出て借金を負う可能性があるので、週末はポジションをスクエアにするのが安全ですよ!
FXのポジションに関するコツ3つ
FXのポジションは上手にコントロールすれば利益を出しやすくなります。
そのためのコツを3つお伝えしますね!
- 分散投資でリスクヘッジ
- ポジション管理を徹底する
- 決済のタイミングを調整して節税する
コツ①分散投資でリスクヘッジ
ポジションを持つタイミングを複数回に分けると、高値づかみや安値売りを避けられます。
例えば1米ドル円=105円で1万通貨の買いポジションを一度に保有するのではなく、次のように分けて買うと平均レートを下げることができます。
- 105円で5,000通貨を購入
- 103円で5,000通貨を購入
分けると平均レートは次のようになります。
(105円×5,000通貨+103円×5,000通貨)÷1万通貨=104円
また上昇トレンドで買いポジションを部分的に決済して一部の利益を確定させたり、一部のポジションを損切りして証拠金維持率を回復させるなど、決済面でも分散投資の手法が使えます。
コツ②ポジション管理を徹底する
保有するポジションの含み損益やスワップポイントをこまめにチェックしましょう。
理由は、チャートから離れている間に含み損が拡大したり、マイナススワップのポジションを保有し続けて含み損が膨らむおそれがあるからです。
特に複数のポジションを持つと分析すべきチャートの数が増えて、相場分析がおろそかになりがちです。
ポジション管理に手が回っていないと感じたら、ポジションの数を減らしましょう。
コツ③決済のタイミングを調整して節税する
FXの税金は1月1日から12月31日に確定した損益で判定されます。
サラリーマンは年間20万円以上、専業主婦や学生など無収入の方は年間48万円以上稼ぐと税金がかかります。
年末時点で19万円の利益が確定していて、含み益が3万円あるポジションを保有しているサラリーマンのケースでは、年内に決済すると利益が22万円となり20万円を超え、税金がかかるんです。
節税するには年が明けてから含み益3万円のポジションを決済しましょう!
FXのポジションとは?まとめ
上記で紹介した「適切なポジション量の計算とポジション管理のコツ」を実践すると、今後は安全に運用するためのポジション量の設定で悩まずに済み、リスク管理で失敗しなくなります。
最後にもう一度、内容を確認しましょう。
- ポジションとは通貨ペアをどれだけ買っているか(売っているか)を表す
- 安全に運用するならレバレッジ5倍以下にポジション量を抑えよう
- ポジション分布を見れば相場の予測が立てられる
ハイレバレッジでポジション量を増やすと、利益とともに損失も大きくなるので、レバレッジを抑えて安全に運用しましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!