ボラティリティって何?
ボラティリティが大きくなる原因と時間帯が知りたい
ボラティリティに応じたFXの取引手法を教えて!
この記事を読むと、上記の疑問や悩みを解決できます。
ボラティリティとは為替レートの変動率の大きさで、これが大きいほど値動きが活発であることを示します。
ボラティリティの大きさによって有効な取引手法が異なるので、状況に応じた手法をとるのがポイントです。
そこでこの記事では、ボラティリティの仕組みと原因を解説するとともに、ボラティリティに応じた実践的な取引手法を紹介します。
FXのボラティリティとは
FXではさまざまな要因が重なって、時間とともに通貨ペアの為替レートが変動します。
その変動率の大きさがボラティリティです。
名称が長いので「ボラが大きい」など略して使われる場合もあります。
ボラティリティが大きいと市場の取引が活発になっていて、逆に小さいと取引は少ないです。
ボラティリティが大きいほど差益が大きくなりますが、失敗した時の損失も大きくなります!
ボラティリティが大きくなる原因
市場参加者が増えて取引が活発になると、ボラティリティが大きくなります。
特に経済指標や要人発言が発表される前後の時間帯は、さまざまな思惑を持ったトレーダーがたくさん取引するので、短時間で相場が大きく振れます。
重要度の高いニュースほどボラティリティが大きくなりやすいので、値動きが予測できない時はいったんポジションを決済して様子見するのが安全です!
ボラティリティが低下すると
あまりにボラティリティが低いと、スプレッドが開くので注意が必要です。
日本時間午前2時~午前6時は、ニューヨーク市場がクローズして欧米勢のトレーダーがいなくなるので、取引量が大幅に減ってボラティリティが低下します。
この時間帯に取引すると値動きが小さく取引コストが大きくなり、利益を出しにくいので取引は避けましょう。
ボラティリティが大きい時間帯
ボラティリティは時間帯によって差があります。
全体的な傾向としてはオセアニア市場は小さめ、東京時間は普通、ロンドン時間とニューヨーク時間は大きめです。
ボラティリティが大きいロンドン時間とニューヨーク時間について詳しく解説しますね!
①ロンドン時間
ロンドン時間は日本時間午後4時〜午後9時で、欧州勢が本格的に参入してくる時間帯です。
イギリスやドイツといったユーロ圏の経済指標が多く発表される時間帯でもあり、ユーロが絡む通貨ペアのボラティリティが大きくなります。
ロンドン時間に利益を狙うならユーロ米ドル、ユーロ円、ポンド円がおすすめです!
②ニューヨーク時間
ニューヨーク時間は日本時間午後9時〜翌午前6時で、アメリカ勢が本格的に参入してくる時間帯です。
特に日本時間午後9時〜翌午前2時は欧州勢も残っているのでボラティリティがピークを迎えます。
重要度の高い雇用統計など、アメリカの経済指標が多く発表されるので、米ドルが絡む通貨ペアのボラティリティが大きくなります。
ニューヨーク時間に利益を狙うならユーロ米ドルと米ドル円がおすすめです!
ボラティリティに応じた取引手法2つ
ボラティリティの大小に応じた取引手法を2つ紹介します。
レバレッジと利確・損切り幅の調整がポイントですよ!
手法①ボラティリティが小さい時
ボラティリティが小さい時は取引量を増やし、レバレッジを引き上げ、利確・損切り幅を狭く設定しましょう。
理由は取引量を増やしても、値動きが小さいので大損のリスクが小さいからです。
ただしボラティリティが大きくなるとトレンド発生やトレンド転換の可能性があるので、相場が動いた方向に順張りすると利益を伸ばしやすくなります。
手法②ボラティリティが大きい時
ボラティリティが大きい時はレバレッジを下げて取引量を減らし、利確・損切り幅は広く設定しましょう。
理由は取引量を減らさないと、値動きが大きいので大損のリスクが大きいからです。
そしてボラティリティが小さくなったらレンジ相場に入った可能性があるので、「高値売り・安値買い」を繰返す逆張り手法で利益を狙いましょう。
ボラティリティから見た通貨ペアの特徴
通貨ペアはメジャー通貨とマイナー通貨に分かれます。
ボラティリティから見てどのような特徴があるのか見ていきましょう。
①メジャー通貨
メジャー通貨は米ドル円、ユーロ円、ポンド円、ユーロ米ドルなど取引量が多く値動きが安定している通貨ペアです。
マイナー通貨よりボラティリティが小さいものの、経済指標や要人発言が発表される前後の時間帯には大きな値動きをするので気をつけましょう。
またポンド円はメジャー通貨の中でもボラティリティが大きいので為替差益を狙いやすいですが、突発的に動くケースがあるので注意が必要です。
②マイナー通貨
マイナー通貨は南アフリカランド円、メキシコペソ円、トルコリラ円など取引量が少なく値動きが不安定な通貨ペアです。
メジャー通貨よりボラティリティが大きく、目立ったニュースがなくても相場が急変するので注意が必要です。
相場が予測通りに動けばメジャー通貨より大きな利益を狙えますが、失敗すると大損するリスクが高い通貨ペアだと言えます。
ボラティリティを判断するテクニカル指標2つ
相場のボラティリティをつかむには以下2つのテクニカル指標がおすすめです。
- ボリンジャーバンド
- RSI
それぞれの概要と実践的な使い方を詳しく解説しますね!
指標①ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは移動平均線を中心として、上下に3本ずつのバンドを引いた指標です。
移動平均線からより遠いバンド(±3σ)にチャートがタッチするほどボラティリティが大きいと読みます。
またボラティリティが大きくなるとバンドが上下に広がり、エクスパンジョンが発生します。
実践ではエクスパンジョンを伴いながらチャートが±3σに近い時に、ボラティリティが大きく相場の過熱感が高いと判断して、逆張りエントリーのサインに使います。
指標②RSI
RSIは相場の過熱感を測る指標で、0〜100の間で折れ線が上下する仕組みです。
0に近いほど売られすぎ、100に近いほど買われすぎと読みます。
RSIが0か100に近いほど相場の過熱感が高まり、ボラティリティも大きくなりやすいです。
ボリンジャーバンドと組み合わせると判断の精度が上がりますよ!
ボラティリティに関する注意点2つ
ボラティリティは為替差益を狙うために必要ですが、損失を膨らませないよう注意が必要です。
- 相場の動きに振り回されないようにする
- 損切りを徹底する
対策方法と合わせて詳しく解説しますね!
①相場の動きに振り回されないようにする
ボラティリティが大きいと、相場分析どおりにチャートが動かず損失を重ねやすくなります。
特に「ボラティリティが大きいのに取引しないともったいない」という気持ちから、明確な根拠を持たずに取引するケースが多いです。
相場に振り回されて余計な損失を避けるには、相場分析をしたり上位足のトレンドなどから、優位性の高さを確認できるまでは取引を見送りましょう。
チャンスに備えて資金を温存するのも立派な戦略だぞ!
②損切りを徹底する
ボラティリティが大きい時は損切りの徹底が大切です。
なぜなら、損切り注文を出さなければ相場が不利な方向に大きく動いた場合に大損するからです。
次の取引資金を残しつつ取り返しやすい損失に収めるには、資金の2%以下の金額で損切りしましょう。
50万円で運用している人は、50万円×2%=1万円の含み損が出るレートに損切り注文を出しましょう。
エントリーと同時に損切り注文を出せば機械的に損切りできるので、IFD注文かIFO注文がおすすめです!
FXのボラティリティまとめ
上記で紹介した「ボラティリティに応じた取引手法」を実践すると、今後はボラティリティが大きくなる時間帯で悩まずに済み、相場の状況に応じて効率的に稼げるようになります。
最後にもう一度、内容を確認しましょう。
- ボラティリティは為替レートの変動率を示す
- 市場参加者が増えて取引量が増えるとボラティリティが大きくなる
- ボラティリティの大小に応じてポジション量とレバレッジを調整しよう
ボラティリティが大きいほどより多くの為替差益を狙えるものの、失敗すると損失も大きくなるので、欲張らずレバレッジと取引量を抑えて、安定した運用を目指しましょう!