ロスカットってなに?
ロスカットで大損することはある?
回避する方法があるなら教えて!
この記事を読むと、上記の疑問や悩みを解決できます。
ロスカットの意味や仕組みを理解して正しく取引しなければ、大損どころか借金になる恐れがあります。
こんにちは!FXの歩き方編集部の河野です。
私はFXを始める前にロスカットについて知識を学んでいたため、損失が出ることはあっても、なんとか強制決済されることなく取引してこれました。
そこでこの記事では、ロスカットについて初心者でも意味や目的がわかり、安全性を高めて取引できるように詳しく解説していきます。
この記事で紹介するロスカットの注意点や回避方法を学べば、大損や借金になるリスクを軽減できるようになりますよ。
すぐにロスカットの計算をしたい方は、こちら⇩の計算機をお使いください。
ロスカットレート |
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FXのロスカットとは?
FXの「ロスカット」とは、システムがポジションを自動的に強制決済させる仕組みです。
あるポジションが予想と反対に動くと含み損が発生しますが、その含み損が一定の水準に達すると執行されます。
ロスカットされる水準は証拠金維持率によって決められ、これを「ロスカットライン」や「ロスカット率」と呼びます。
ロスカット率はFX会社によって異なり、中には自分で設定できることもあります。
証拠金維持率とは?
証拠金維持率とは、時価評価額(現在の含み損益を入れた資金全体)に対する必要証拠金(取引に必要な資金)の割合です。
証拠金維持率は高いほど資金に余裕があることを示し、低くなるにつれてロスカットされる危険性が大きくなります。
つまり、証拠金維持率は保有ポジションに対して口座資金にどれくらいの余裕があるのかを表す数値なんです。
証拠金維持率の計算方法
証拠金維持率は、次の計算式で算出できます。
【時価評価額÷必要証拠金×100】
たとえば10万円を口座資金とし、米ドル/円の取引で1ドル100円のときに1万通貨を保有、含み損が2万円(為替レートが98円)だったとすると、
【(10万円-2万円)÷(100円×1万通貨÷25)×100=200】
となるので、このときの証拠金維持率は200%となります。
証拠金維持率は取引画面ですぐに確認できるので、毎回自分で計算する必要はないよ。
ロスカットの目的
ロスカットは、証拠金(口座資金)以上の損失をさせないことが目的です。
FXは常に損失をかかえるリスクがあり、値動き次第で大損することもあります。
損失が証拠金以上に大きくなってしまうのを防ぐために、ロスカットの制度があるんです。
僕たちトレーダーの資産を守るための安全装置だと言えるよ。
ロスカットと損切りの違い
ロスカットと損切りの大きな違いは、自動か手動かということです。
たまにロスカットと損切りを混同している表現を目にすることがあります。
しかしFXでロスカットという場合、FX会社で強制決済されることを指すのが一般的。
損切りはトレーダー自身で決めたルールに沿って手動で決済させるため、両者の意味は同じではありません。
FXのロスカット 計算方法
ロスカット基準額(口座資金がこの金額を下回るとロスカットされる金額)は、次の計算式で算出できます。
①【必要証拠金×FX会社が定めたロスカットライン】
また、ロスカットされるまでの値幅を算出する計算式は次の通り。
②【(時価評価額-ロスカット基準額)÷取引数量】
口座資金を10万円とし、米ドル/円の取引で1ドル100円のときに1万通貨保有、ロスカットライン50%だとした場合、上記の計算式に当てはめると次のようになります。
①【4万円(必要証拠金)×50%(ロスカットライン)=2万円】
②【(10万円-2万円)÷1万通貨=8円】
この場合、2万円の損失に達するとロスカットされ、それまでに耐えられる値幅は8円となります。(為替レートが92円になるとロスカット)
ロスカットの自動計算機
予めロスカットされる値を把握しておくことは大切ですが、わざわざ計算するのは面倒だと思います。
そんなときは、この自動計算機を使ってシミュレーションしてみてください。
ロスカットレート |
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【各FX会社を比較】ロスカット率一覧
ロスカットラインはFX会社によって異なるので、あなたが利用するFX会社の基準を知っておきましょう。
【大損する】FXのロスカット 2つの注意点
FXのロスカットは資産を守るための仕組みですが、次の注意点があります。
- 間に合わないことがある
- 借金になる可能性がある
FX会社のシステムとはいえ、完ぺきなわけではありません。
ロスカットが間に合わないことがある
FXのロスカットが間に合わずに大損するケースがあります。
証拠金がマイナスになることは多くはありませんが、下記の状況には注意が必要です。
- 相場の急変時
- 為替相場の休日
- FX会社のシステムトラブル
ロスカットは一定の間隔で自動で行うため、相場の急変時にはシステムが追い付かず、ロスカットが間に合わないことがあります。
為替市場の休日に大きな事件やニュースがある場合も相場が急変する恐れがあるため、ポジションの持ち越しは慎重にならなければなりません。
またFX会社のシステムにトラブルが起こると、ロスカットが正常に機能しないこともあります。
システムが間に合わないと、本来ロスカットされるタイミングでの損失以上に大損してしまう。
相場が急変しそうな場合はあらかじめ損切りや利確をしておいたり、週末にポジションを決済しておくことで、急変時のリスクは避けられるよ。
またシステムトラブルによる損失はFX会社が補填してくれる場合があるので、詳しくは利用するFX会社の「システム障害時の対応」を確認しておこう。
ロスカットで借金になる可能性がある
ロスカットが間に合わないと、借金になる可能性があります。
実際に多くのトレーダーが多額の損失を被った例があります。それは「スイスフランショック」です。
2015年1月16日、スイス国立銀行が2011年より続けてきた無制限の為替介入をやめると発表。
スイスフランは対ユーロで一時30%も急騰し、多くの個人投資家が大損、さらに仲介していた為替業者が破綻するなど、一大事件となりました。
このときロスカット基準を大きく超えた価格でロスカットされ、FX会社に対する負債を抱えてしまったトレーダーも少なくありません。
FXで借金になるケースは、珍しい話ではないんです。
たとえば2011年の東日本大震災のときも、ロスカット未収金(FX会社に対するトレーダーの負債)が非常に多く発生したようです。
FXのロスカットを回避する3つの方法
FXではロスカットされないレベルで取引を行うことが重要です。
ロスカットを回避する方法は、次の3つ。
- 証拠金維持率を上げる
- 追加入金する
- 損切りをする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
証拠金維持率を上げる!その目安
証拠金維持率を高い水準に保てば、ロスカットを回避しやすくなります。
なぜなら、口座資金に余裕ができるためです。
証拠金維持率の目安は、一般的に300%以上と言われています。
次の3つの方法で、証拠金維持率を高い水準に保って取引しましょう。
- レバレッジを高くしない(できれば1~3倍、高くても5倍)
- 必要証拠金の3倍以上を口座資金とする
- 取引量を小さくする
レバレッジ (ドル/円のレートが100円と仮定) | ロスカットになるレート | 必要証拠金 | 証拠金維持率 |
---|---|---|---|
1倍 | 0円 | 1,000,000円 | 2,500% |
2倍 | 52.083円 | 500,000円 | 1,250% |
5倍 | 83.333円 | 200,000円 | 500% |
10倍 | 93.750円 | 100,000円 | 250% |
25倍 | 100.000円 | 40,000円 | 100% |
*証拠金維持率が100%未満になった場合にロスカットになるとして算出。
*ロスカットになる証拠金維持率はFX会社によって違う。通常は100%か50%のどちらか。
マージンコール・ロスカットアラートで追加入金する
すべてのFX会社ではありませんが、ロスカットはいきなり作動するわけではありません。
なぜなら、事前に口座に追加入金させることで、証拠金維持率を回復させる仕組みがあるからです。
FX会社によって、証拠金維持率が一定の水準に下がると、口座に追加入金するようメッセージが届きます。
これは「マージンコール」や「ロスカットアラート」、「追証(おいしょう)」(追加証拠金の略称)と呼ばれています。
このメッセージが来た時点で取引が危険なことを表していますが、速やかに追加入金をすればロスカットを遠ざけることができます。
損切りをする
損切りの徹底もロスカットを回避する方法の一つです。
なぜなら、自ら決済することで損失額を確定させてしまうからです。
ロスカットを待たずに決済させることができれば、損失も抑えられます。
最大損失額を証拠金の2%以内に収めるのが目安です。
損小利大を実現させるためにも、損切りはとても大切な要素だ。
海外のFX業者はロスカット率が低い
海外のFX業者は、ほとんどの場合ロスカットの基準が証拠金維持率20%以下となっています。
これは国内よりもはるかに高いレバレッジをかけられ、短期間で大きな含み損を抱える可能性があることから、安易にロスカットされないよう配慮されているためです。
また海外FXには、ロスカットが間に合わず発生した損失分をFX会社が負担してくれる「ゼロカット」と呼ばれるシステムがあります。
そのため入金額以上の損失が出ないようになっているんです。
初心者が海外FXを使うのはおすすめしない
海外FXをおすすめしているように感じたかもしれませんが、基本的に海外のFX会社は推奨しません。
なぜなら、次のようなデメリットがあるからです。
- 金融庁に登録されていない(トラブルがあっても国が介入できない)
- 出金拒否されることがある(言語が通じにくく裁判も起こしにくい)
- 信託保全がないことがある(FX会社が倒産した場合に資金の保証がない)
- 詐欺の危険性がある(お金が返って来ない)
- 税金が高い(稼ぐほど税率が上がる累進課税)
特に初心者のうちは、問題が起きても対応の仕方がわからなかったり、悪徳業者が見分けられなかったりすることがあるため、国内FX会社の利用をおすすめします。
資金管理の徹底で安全にFXを行おう
FXにおいてもっとも大切なのは、資金管理です。
なぜならFXはギャンブルではないため、これが出来なければ投資家とは呼べないからです。
FXで損失する原因のほとんどは資金管理で解決することができます。
そのためきちんと資金管理を行いながら、ロスカットされない水準での取引を心がけて、安全にFXを楽しんでくださいね。
初心者でも管理がしやすいFX会社3選
最後に、初心者でも管理がしやすいFX会社を3社紹介しますので、参考にしてみてください。
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FXのロスカット まとめ
今回はFXのロスカットについて紹介しましたが、いかがでしたか?
FXではロスカットされないレベルで取引を行うことが大切。
この記事で紹介した「ロスカットを回避する方法」を実践すれば、証拠金に余裕を持たせて取引できるようになりますよ。
最後に今回の内容をおさらいしましょう。
- ロスカットはFX会社がポジションを強制決済させる仕組み
- ロスカット率はFX会社によって異なるが、50%や100%が多い
- 完ぺきなシステムではないため、大損する可能性もある
- ロスカットをされないレベルで取引しよう
- 資金管理を徹底しよう
まだFXに慣れないうちはロスカットされることもあるでしょう。
そんなときは、「なぜロスカットされたのか」「回避する方法はなかったか」を考え、次の取引に活かしてみてください。
そうして改善をしつつ場数を踏んでいけば、もっと上手にFXが行えるようになりますよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
FXのロスカット Q&A
- ロスカットってなに?
-
ロスカットは、FX会社がポジションを強制決済させることです。
証拠金(口座資金)以上の損失をさせないことが目的なので、トレーダーの資金を守るための仕組みと言えます。
【詳しくは、記事内の「FXのロスカットとは?」で解説しています。】
- ロスカットの注意点は?
-
FXのロスカットは資産を守るための仕組みですが、次の注意点があります。
・間に合わないことがある
・借金になる可能性があるFX会社のシステムとはいえ、完ぺきなわけではありません。
【詳しくは、記事内の「【大損する】FXのロスカット 2つの注意点」で解説しています。】
- ロスカットの回避方法を教えて!
-
ロスカットを回避する方法は、次の3つです。
・証拠金維持率を上げる
・追加入金する
・損切りをするFXではロスカットされないレベルで取引を行うことが重要です。
【詳しくは、記事内の「FXのロスカットを回避する3つの方法」で解説しています。】